お知らせ
令和8年度「過労死等防止啓発月間」のお知らせ
~働き過ぎを見逃さず、命と心を守る職場づくりを~
厚生労働省は、毎年11月を「過労死等防止啓発月間」と位置づけ、過労死等をなくすための周知・啓発活動を行っています。
これは、長時間労働や仕事による強いストレスを背景とした脳・心臓疾患、精神障害、自殺などを未然に防ぐための重要な取り組みです。月間中は、過労死等防止対策推進シンポジウムや、長時間労働の是正に向けた「過重労働解消キャンペーン」などが実施されます。
令和7年度の最新データ(労災補償状況より)
- 過労死等に関する請求件数:6,212件
前年度比1,402件増加 - 支給決定件数:1,310件
前年度比5件増加 - うち死亡・自殺(未遂を含む):145件
前年度比14件減少
脳・心臓疾患
- 請求件数:1,254件(前年度比224件増)
- 支給決定件数:217件(前年度比24件減)
- うち死亡:67件(前年度と同数)
精神障害
- 請求件数:4,958件(前年度比1,178件増)
- 支給決定件数:1,082件(前年度比26件増)
- うち自殺(未遂を含む):76件(前年度比12件減)
※全体の支給決定件数には、複数の勤務先における負荷を総合的に評価する「複数業務要因災害」が含まれています。
精神障害に関する労災請求は大幅に増加しており、支給決定件数も1,000件を超えています。
精神障害の支給決定に関係した主な出来事は、次のとおりです。
- 上司等からの身体的・精神的な攻撃などのパワーハラスメント:222件
- 顧客や取引先、施設利用者等からの著しい迷惑行為、いわゆるカスタマーハラスメント:127件
- セクシュアルハラスメント:127件
- 仕事内容や仕事量の大きな変化:113件
長時間労働だけでなく、ハラスメントや業務内容の急激な変化など、職場における心理的負荷への対策も重要です。
国の主な取り組み
「過労死等防止啓発月間」には、例年、次のような取り組みが行われています。
- 過労死等防止対策推進シンポジウムの開催
- 長時間労働が疑われる事業場への重点的な監督指導
- 過重労働に関する相談窓口の設置
- 企業における自主的な過重労働防止対策を目的としたセミナー
- 長時間労働削減に取り組む企業事例の紹介
過労死等の防止には、法令を守るだけでなく、職場全体で働き方や業務負担を継続的に見直すことが求められます。
職場での推奨アクション
この啓発月間を契機に、次のような取り組みを進めましょう。
- 36協定の内容と実際の労働時間の再確認
- 長時間労働者に対する医師の面接指導の確実な実施
- 年次有給休暇の取得促進と勤務間インターバルの活用
- ストレスチェックの集団分析を活用した職場環境の改善
- 管理職・リーダーに対するメンタルヘルス、ハラスメント研修
- 労働者が安心して相談できる窓口と対応体制の整備
- 人員配置や仕事内容、仕事量が急変した際のフォロー体制の整備
令和8年度の全国労働衛生週間においても、過重労働による健康障害の防止、メンタルヘルス対策、長時間労働者への医師の面接指導などが重点事項に位置づけられています。
産業医としては、健康診断やストレスチェックの結果、長時間労働者との面談、職場巡視などを通じて、心身の不調を早期に把握し、必要な就業上の配慮や職場環境の改善につなげていきます。
「過労死等防止啓発月間」は、単なる一か月間のイベントではなく、職場全体で働き方を見直し、命と心の安全に向き合うための機会です。
一人ひとりが安心して健康に働き続けられる職場環境を、共につくっていきましょう。